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「目が泳ぐ」は本当だった ―探偵シリーズ 第2回 セミナーレポート

現役の探偵が、その体験を基に語る「探偵シリーズ」。第1回が好評だったのを受け、第2回を9月14日(水)に開催しました。

 

今回のテーマは、質問力。「本心を引き出すコミュニケーション術」という副題で、一歩踏み込んで、より深いコミュニケーションができる術を、第1回に引き続きT.I.U.総合探偵社代表・NPO法人ユース・ガーディアン代表理事の阿部泰尚さんにお話しいただきました。

 

■特性を知る

 

はじめに参加者の皆さんに、自分の特性を診断するチェックシートに記入してもらいます。10分ほどかかって書いてもらうと、そこから現れる五つのタイプを、阿部さんが解説しました。

 

まずは自分の特性を知り、そして、口癖と行動から相手の特性を見抜いていきます。五つのタイプにはそれぞれ相性があり、相性が悪い組み合わせの場合は、コミュニケーションにも注意が必要です。また、自分の特性も一つとは限りません。状況や環境が異なると見せている顔が違うこともあるので、自分の持っている特性の中から、相手の特性と相性のいいものを引き出すように心がけると、円滑なコミュニケーションをしやすくなります。

 

■仕草から判断する

 

コミュニケーションができるようになってくると、次に、仕草を見ます。コミュニケーションにおける反応を見るのです。

 

たとえば、体重が片方に寄る人は、疲れ気味で、飽きています。袖などを触ったり、握ったりする人は、不安を感じています。顔を触ったり、貧乏ゆすりをしたりするのも、不安や動揺を表します。片眉が上がるのは、疑問に思ったときに出る表情です。

 

自分である程度コントロールはできますが、びっくりしたときやうれしいときなどは、自然にこれらの反応が出てしまいます。

 

阿部さんは、非言語コミュニケーションのトレーニングとして、無音にしたテレビドラマを見るそうです。表情だけで感情を読み取る練習をしていると、次第に話の流れが分かるようになるといいます。普段のコミュニケーションにも役立ちます。

 

■質問の基本 ~クローズ質問法とオープン質問法~

 

より本心を深く引き出していくためには、ただ観察するだけでなく、積極的に相手になんらかの仕草を促します。

 

阿部さん曰く、「日本人は、質問されると自動的に答えを考える教育を受けています」。たとえば、「口の中にものすごくすっぱい梅干しが入ったのを想像してください……、はい、どうぞ」と言うと、大抵の人が、口の中が唾液でいっぱいになります。つい、想像してしまうのです。

 

質問の仕方は、大きくは、クローズ質問法とオープン質問法の二つに分けられます。クローズ質問法は、イエスかノーかの選択式です。オープン質問法は、自由に回答できます。

 

オープン質問法でいくと相手の発想で回答が戻ってくるので、回答のコントロールができなくなります。クローズ質問法での組み立ては質問する側が優位になります。裁判の口頭尋問で使われる場合も多い手法です。

 

■誘導尋問法

 

裁判では原則として禁止されていますが、誘導尋問法もあります。

 

A:「X社さんとは、もう長いのですか」

B:「いや、まだ半年も取引していないよ」

 

一見、普通の会話に思えますが、Aはしっかりと知りたかった情報をBから引き出しています。Aが知りたかったのは期間ではなく、BがX社とつきあいがあるかどうかだったのです。

 

このように、知りたい事実を前提として質問し、本音を聞き出すテクニックです。相手が答えやすいように、質問はクローズ質問法で行います。

■微表情を見逃さない

 

人は質問をされると、答えを考えます。考えると、顔や体が反応してしまいます。分かりやすい例として、目の動きがあります。

 

質問した時、相手が向かって右上を見ている場合は、視覚的記憶を追いかけています。右横を見た場合は、聴覚的記憶を追いかけています。つまり本当にあったことを思い出そうとしているのです。事実を追おうとすると左脳に意識が行き、その反応が出やすくなります。

 

向かって左上を見ている場合は、視覚的想像をしています。左横を見ている場合は、聴覚的想像をしているそうです。嘘をつこうとすると空想から作り出すので、右脳に意識が行きます。

 

阿部さんも、この話を聞いたばかりの時は、半信半疑だったとのこと。しかし、調査の相手に質問して試してみたところ、嘘がはっきり分かったそうです。

 

■ワークで体験

 

ここで、実際に微表情を読み取れるのか、ワークで体験してみました。

 

二人一組になり、正面に向き合います。阿部さんの指示に従い、質問を投げかけ、嘘で答えると……。

 

目が動く! あまりに説明どおりに動くので、思わず笑ってしまいそうになるくらいです。あちこちで歓声が起こりました。「目が泳ぐ」とは、まさに、このことでした。

 

実は、訓練次第では、目がぶれなくなるそうです。しかし、その際は腕を組んだり足を組んだりして、つい身構えていることが多いといいます。どこかしらには、考えていることが表れてしまうのです。

 

ただ、詐欺師には通じません。詐欺師は、嘘の話を、事実あったことだと本人が信じ込む特性があるそうです。探偵と詐欺師の対決、すごそうです。

 

■いかに補うか

 

コミュニケーションは、相手との相補関係があると円滑化しやすくなります。そこで、相手の特性を考えながら、自分をうまく合わせていきます。

 

言葉は非常に便利なものですが、嘘もつければ、取り繕うこともできてしまいます。だから、言葉だけを追いかけるのではなく、仕草や顔に出るちょっとした動きなど、非言語コミュニケーションの要素を活用すると、より相手の本音に近づくことができます。

 

お話のあと、参加者の皆さんから具体的で突っ込んだ質問が次々に出て、とても深い関心を持って聞かれたことがよく分かる質疑応答になりました。

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