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2011年9月26日に開催したopnlabの、「ホリプロに学ぶファンづくり」。ホリプロに入社して、番組のAD、プロデューサーからマネージャーとなり、現在はチーフマネージャーである大健さんに、ホリプロのビジネスについて伺いました。魅力的な多くのタレントが所属する芸能プロダクション「ホリプロ」は、華やかな印象とは対照的に、戦略的にタレントを発掘し、地道に育てて売り出し、時代の流れにあわせて挑戦を続ける一企業の姿がありました。

 

専門店から百貨店へ

 

ホリプロは、1960年、堀威夫がホリプロの前身である堀プロダクションを立ち上げ、歌手を中心としたマネジメントビジネスをスタートさせます。「文化をプロモートする人間産業」という企業理念のもと、人の最大のエネルギー「感動」の源であるタレントビジネスを拡大していきます。

 

1960年代には舟木一夫やスパイダーズ、1970年代は井上陽水、RC サクセション、山口百恵、森昌子など時代を代表する人気歌手やグループを排出していきます。タレントも会社も順調に名前が売れていく中、ホリプロはひとつの転機を迎えます。山口百恵の引退です。売上げの大きなシェアをしめていた一人のタレントの引退は、会社に大きなダメージを与えました。それ以来、一人の歌手やひとつの分野に依存し過ぎないよう、多方面のタレントをかかえる「芸能界の百貨店」に舵を切っていきます。

 

また、「芸能プロダクション」を一企業として社会に認知させたいとの思いから、1989年に業界初の株式公開を果たし、1997年には東証2部上場、2002年9月には東証1部上場を実現します。

 

登竜門をくぐり、スターになるまで

 

ホリプロの代表的なイベントの一つが「ホリプロタレントスカウトキャラバン」。1976年にスタートした新人発掘のための同イベントは、芸能界の登竜門といわれる地位を築きます。従来、外でスカウトしていたスタイルを一変し、一カ所にタレント志望者を集めてオーディションするタレントスカウトキャラバン。初代の榊原郁恵をはじめ、井森美幸、山瀬まみ、深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみなど、数々の人気女優や歌手を生み出します。

 

ただし、スカウトキャラバンのグランプリ受賞はあくまでもスタート。将来が保証されているわけではありません。デビューの翌年に映画の新人賞を総なめにする石原さとみのようなケースもあれば、ブレイクまで数年かかるケースも数多くあります。

 

そのタレントの成長を支えるのがマネージャー。タレントという大切な商品と二人三脚で歩んでゆきます。マネージャーはタレントの中長期的な目標を設定し、それを実現するために、1年ごとにどの方面の仕事をしていくかを決めていきます。売れていて仕事が多く入ってくるタレントには本人に最適な仕事を選択する一方、仕事の少ないタレントにはマネージャーが制作側からより早い段階の情報を収集して番組やドラマの役につけるよう営業をしていきます。

 

会社全体でも定期的にタレントの方針をチェックし、必要であれば歌手からバラエティ、バラエティから俳優へと転換させ、いかに一人一人のブランドを築き、活躍させていくかを検討していきます。1980年代、音楽番組が次々に消えていく中で、ある歌手のマネージャーはアイドル歌手をバラエティで活躍させる方針を決めます。まだ業界では異例の取り組みでしたが、がむしゃらに番組へ売り込んだ結果、山瀬まみや井森美幸が「バラドル」として人気を博します。

 

ソーシャルで露出と声優でグローバル

 

ホリプロは、トライアルとしながらもソーシャルメディアにタレントの露出を積極的に行っています。テレビ広告の予算が減り、視聴率が低迷していく中で、成長しているメディアであるインターネットでの露出は必然の流れだからです。youtubeとニコニコ動画にホリプロの専用チャンネルをもうけ、無料でタレントの動画を配信して、自ら露出の機会を創出してます。

 

ホリプロの中でもソーシャルメディアで人気があるのはつぶやきシロー。得意の「あるある」ネタで今やtwitterのフォロワーが50万人います。新山千春の子育てブログは20万人が購読しています。メディアとしてみても膨大な数ですが、企業の協賛は本人との親和性の高いものにとどめ、ビジネスに直結させて儲けるというよりは、タレントの露出の増加とファンとのコミュニケーションととらえています。

ちなみに、タレント誰もがブログを書いたり、twitterでつぶやいているということではないようです。バラエティのタレントは自分の生活自体も仕事のネタにしてソーシャルメディアを積極的に活用しますが、基本的に俳優は実生活をあまりみせないようにして様々な役のイメージになりきれる未知の部分を残しておくケースがほとんどのようです。

 

歌手のオーディションのイメージが強いスカウトキャラバンですが、実は年によって「俳優」「バラエティ」などテーマが違うとのこと。

 

今年は初の「声優」オーディションでした。

 

声優に注目した背景のひとつは、ブレイクすればアイドルとしての息が長いこと。30代でもコンサート会場を満杯にできるといいます。また、海外でも人気が高いアニメは日本語のまま聞いているケースもあるため、世界進出の素地もあるからだといいます。

 

大健さんが入社した20年前は所属タレントが100名ほどだったのが、今では300名に増えていること。厳しい状況の中、会社も成長し、上場も果たす底力は、意外と平凡な「ちゃんとした会社」であるということのように、話しを伺って思いました。

 

ある参加者は「今日はどんなに派手な服装のスピーカーがくるのかと思ったら、まじめな落ち着いた人で驚いた」と冗談半分で話していました。実際、多くの世間の同様のイメージを認識し、そして払拭すべく企業努力を続けていることで、信頼を高め堅実かつ挑戦できる土壌がホリプロの強さを支えてているのだと思いました。

「うちのタレントは本当に性格がいい人ばかりなんです」

という熱くタレントへの愛を語る最後の言葉が印象的でした。

 

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